頭頸部癌のゲノミクス(Head and Neck Cancer Genomics)
⚠️ 医療者向け研究レビュー。診療判断・医学的助言ではない。最終判断は一次資料と専門家の評価による。 ⚠️ 背骨論文(アンカー)はファンコニ貧血(FA)関連HNCという特定文脈のレビューであり、一般HNSCCゲノミクス総論を体系的に扱うものではない。総論部分は核心未取得の暫定記述。 最終更新: 2026-06-04 / 反映論文: 14件 / 背骨: FA関連HNCレビュー 2025+甲状腺領域 2023総説・2024 PTCプロテオゲノミクス / 未レビュー
サマリ(現時点の到達点)
頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)のゲノム像は、HPV陽性/陰性で臨床・分子的に区別される(※TCGA網羅的変異頻度は核心未取得・暫定)。本トピックの現背骨はFA(DNA鎖間架橋ICL修復障害)関連HNCのレビューで、ここからは確度の高い知見が得られている: FAではHNSCCリスクが一般人口の500〜700倍、若年発症(中央値31歳)・予後不良で、腫瘍はTP53機能喪失(変異アレル頻度85%)を早期イベントとし、複雑な構造変異・体細胞CNVが多くSNVは少ない、HPV陽性は稀という特徴を持つ。さらに散発性HNSCCの一部もFA経路の体細胞的不活化(変異・プロモーター高メチル化・欠失)を介して類似ゲノム像を呈することが示され、FA DNA修復経路がHNSCC発癌予防の「ゲノム番人」である可能性が示唆される。一般HNSCC全体の変異プロファイル(CDKN2A/PIK3CA等)の統合像は未取得・議論中。 今波ではマルチオミクスによる分子分類・エピゲノム機構・シグナル経路変異の機能注釈を大きく拡充した: ①CNV・体細胞変異・DNAメチル化・トランスクリプトームを統合してHNSCCを3サブタイプ(IMC1–3)に分け、各々に治療脆弱性(IMC1=シスプラチン/免疫療法、IMC2=EGFR阻害)を対応づけた。②エピゲノム駆動発癌として、転写因子KLF7がスーパーエンハンサー(SE)を介してIGF2BP2を過剰発現させ進展を促す軸(BRD4阻害JQ1で抑制)、および2019年発見の新規翻訳後修飾乳酸化(lactylation)が口腔癌で広範(1033タンパク/2765部位)に起こりDHX9-K146を介し進展を促す機構を取り込んだ。③シグナル経路ではHippo経路体細胞変異 約1000個を機能注釈し85個のLOF変異を同定、HNSCCでMOB1A/B LOF(zinc-fingerドメイン依存)がHippoを不活化し腫瘍増殖を促すことを示した。④非侵襲診断としてサリバオミクス(唾液のDNA/RNA/タンパク)を早期検出・モニタリングのスクリーニング手段として整理。 既存の差分は、喫煙歴別の11q13増幅・FADD変異と予後、PI3K/mTOR経路を標的としたmTOR阻害-フェロトーシス軸、HPV+/-での腫瘍微小環境差、浸潤前線の腫瘍budding転移機構(CYTOR-FOSL1相分離)。甲状腺領域は主要ドライバー(BRAF/RAS/RET)が確立済みとする総説に加え、PTC 102例の5層オミクス(ゲノム/転写/代謝/プロテオ/リン酸化)統合でBRAF V600E 47%/MUC16/TERT/NCOA4-RETと4サブタイプ(CS1–4)を示した一次研究で補強した。
カバレッジ(この知識の確からしさ範囲)
- 背骨(anchor): PMID:40970532 — ナラティブレビュー(FA関連HNC、DNA修復障害)、2025、Cancers。SANRA観点で検索の体系性は弱く RoB:high、エビデンスとしては最下位。FA関連HNCという特定文脈である点に注意。
- 甲状腺領域アンカー: PMID:37668657 — 甲状腺癌ゲノミクス40年史の総説(Fagin & Nikiforov 2023, Thyroid)。権威性は高いが非OA・アブストラクトのみ取得(provisional-abstract)。これを一次研究 PMID:38609408(PTC 102例マルチオミクス, 2024 Nat Commun, full-text)で補強。
- 反映範囲: 上記アンカー群+差分論文12件(2022–2025)。今波追加: 統合マルチオミクス分子サブタイプIMC1-3・SE駆動KLF7-IGF2BP2・乳酸化lactylation・Hippo経路変異機能注釈・サリバオミクス・PTCプロテオゲノミクス/メタボロミクス。既存: 喫煙別ゲノム差異・PI3K/mTOR治療標的・HPV+/-のTME・TB転移機構・PAX9・口腔癌多オミクス。
- 暫定(全文未取得/核心未取得): 一般HNSCCゲノミクス総論(TCGA全体プロファイル=TP53/CDKN2A/PIK3CA/NOTCH1/FAT1の網羅的変異頻度)は依然として直接のTCGA一次論文未取得のため「(※核心未取得・暫定)」。ただし今波の統合マルチオミクスで分子サブタイプ軸は実証的に補強された。全文取得(full-text)は OA計6件(38032139, 35628401, 38443991, 39407253, 39572544, 38609408)。非OAでアブストラクトのみ(provisional-abstract)は 6件(37668657, 40048195, 40479615, 38235919, 38073011, 38959352, 39216814)。
- 飽和目標: HNSCCゲノミクスの総論レビュー/TCGA一次論文(変異ランドスケープ・分子サブタイプ)+ DNA修復障害(FA)関連+甲状腺/唾液腺領域の最新研究を網羅。
病態・基礎
FA関連HNCのゲノム的脆弱性(背骨・confidence:low〜medium)
- FA経路: FANCA〜FANCXの少なくとも23遺伝子がDNA鎖間架橋(ICL)修復を担う。ICLは内因性/外因性アルデヒド(飲酒・喫煙・化学療法由来)や架橋剤で生じ、未修復ICLはp53軸活性化とアポトーシスを誘導。
- 発癌の分子機序: FA SCC(頭頸部・食道が主)はTP53機能喪失(変異アレル頻度85%)が早期イベントで、染色体断裂に由来する複雑な構造変異(小欠失・不均衡転座・fold-back逆位)と体細胞CNVが多い。SNV/indelは散発HPV陰性HNSCCより少ない。HPV陽性は稀。
- 遺伝子型: FANCA最多、FANCA/FANCC/FANCGで全FA癌の最大90%。FANCA exon 27–30変異がHNSCC・婦人科癌に特異的に関与。
散発性HNSCCとFA経路(総論との接点・confidence:low)
- 散発HNSCCの一部でFA経路の体細胞的不活化が報告: 原発口腔SCC 49例の66%で10 FA遺伝子いずれかの5倍以上の発現低下、細胞株18株中53%がICL生成剤で染色体断裂増加、散発HNSCC 14/45でFANCBプロモーター高メチル化。
- TCGA再解析: HPV陰性散発HNSCCの最大13%が FANCV/MAD2L2・FANCR/RAD51・FANCU/XRCC2・ALDH2 の欠失を保有し、CNV頻度が高い。→ HPV発癌・腫瘍微小環境は HPV発癌機構 頭頸部癌の腫瘍微小環境 参照。
一般HNSCCゲノミクス総論(※核心未取得・暫定)
- HNSCCは一般にTP53変異が高頻度、CDKN2A不活化・PIK3CA活性化等が知られ、HPV陽性/陰性で分子的に区別されるとされる(要・総論レビュー/TCGA一次論文の取り込み)。
- TCGA等による変異ランドスケープ(TP53/CDKN2A/PIK3CA/NOTCH1/FAT1等)の網羅的変異頻度は本トピックでは依然未収集。次回スキャンで補強。分子サブタイプ軸は下記の統合マルチオミクスで補強済み。
統合マルチオミクスによる分子サブタイプ(差分・confidence:medium)
- CNV・体細胞変異・DNAメチル化・トランスクリプトームを similarity network fusion (SNF) で統合し、HNSCCを複数独立コホートで一貫して3サブタイプ(IMC1–3)に分類:
- IMC1: 増殖性・免疫活性化型。最も予後良好。シスプラチン・免疫療法に感受性。
- IMC2: EGFRシグナル活性化+炎症性微小環境(CAF/血管浸潤)。EGFR阻害薬に感受性。
- IMC3: 高度に異常な代謝活性+免疫浸潤低下(免疫排除型)。
- in silico薬剤感受性予測をPDX・患者由来オルガノイドで実験的に検証。予後とEGFRi感受性のシグネチャを機械学習で構築。
- ※TCGAサブタイプ(atypical/basal/classical/mesenchymal)とは別軸の治療標的志向の分類。非OAで各サブタイプのn・HR・薬剤IC50は未取得(provisional-abstract)。
エピゲノム駆動の発癌(スーパーエンハンサー・新規修飾/差分・confidence:medium)
- スーパーエンハンサー(SE)駆動: 転写因子 KLF7 がIGF2BP2のプロモーター/SE領域に直接結合し、SE(H3K27Ac・BRD4・MED1濃縮)を介してIGF2BP2を過剰発現させHNSCC進展を促す。IGF2BP2高発現は悪性進展・予後不良と関連し、KLF7・IGF2BP2両者高発現群は予後最不良。BRD4阻害薬JQ1で増殖・転移が抑制された(前臨床)。
- 乳酸化(lactylation): 2019年発見の新規翻訳後修飾。口腔癌(OSCC)で乳酸化レベルが悪性度グレードと相関(IHC 81例)、1033タンパク上の2765乳酸化部位を同定。乳酸処理で217遺伝子が上昇し、DHX9のK146乳酸化がOSCC進展を促す(DHX9の腫瘍抑制効果を緩和)。Warburg効果と遺伝子発現制御を橋渡しする機構。
- いずれも前臨床(細胞株・少数組織)で、HNSCCゲノム像全体への寄与度・臨床外挿は限定的(confidence:medium)。
シグナル経路変異の機能(Hippo経路/差分・confidence:medium)
- TCGA 32癌種・11,706検体でHippoシグナル遺伝子の変化率35.3%。ミスセンス変異 約1000個をYAP局在ベースの機能スクリーンで注釈し、85個のloss-of-function (LOF) 変異を同定・実験検証。
- HNSCC(HNSC)では MOB1A/MOB1B のLOF変異が同定され、zinc-finger(ZNF)ドメインがMOB1の折りたたみ・機能に必須。これらLOF変異はHippoを不活化し頭頸部腫瘍増殖を促進。発現変化に依らない体細胞変異による経路活性化機序を具体的に示した。
- 髄膜腫/神経鞘腫由来のNF2 LOF変異はHippo腫瘍抑制機能を損なうだけでなく、VANGL-JNK経路を活性化する発癌性(gain-of-function)を獲得。→ PI3K/mTOR・NOTCHは下記治療標的節も参照。
喫煙歴・リスク因子別の分子差異(差分・confidence:medium)
- TCGA(cBioPortal)のHNSCC 511例を喫煙歴で層別した後ろ向き解析(HPV状態問わず): 喫煙者(76.1%)は染色体11q13上の9遺伝子でCNAが有意に増加(FDR 0.044–0.046)。11q13増幅は CCND1 等を含む既知のHNSCC増幅領域。
- 非喫煙者では FADD・CTTN が有意に高メチル化。喫煙者では PPFIA1・FGF19・CCND1・LTO1 のmRNAが高発現。FADD mRNAはFADDメチル化と負相関(喫煙者 r=-0.57)。
- FADD変異を伴う喫煙者は死亡リスク上昇(HR 1.40, 95%CI 1.004–1.96)。有意遺伝子群は PI3K/AKT ネットワーク等に関連。喫煙を「修飾可能なゲノムリスク因子」と位置づける(後ろ向き・交絡未調整のため confidence:medium)。
浸潤前線・転移の分子機構(腫瘍budding/差分・confidence:low)
- 浸潤前線の腫瘍budding(TB)細胞は幹細胞性と部分EMT(p-EMT)を示すサブ集団で、TBシグネチャ高値はTCGAで全生存不良と関連。
- 核内lncRNA CYTOR がTBの鍵調節因子で、転写因子 FOSL1 の液-液相分離凝集体形成を促進してFOSL1依存スーパーエンハンサー(SE)を確立し、幹細胞性・転移遺伝子を活性化する。CYTOR標的化でTB形成・腫瘍増殖・リンパ節転移が抑制された(前臨床、単一軸機構のため confidence:low)。
転写因子PAX9(汎がん・confidence:low)
- PAX9は扁平上皮系で発現する転写因子で、PAX1/PAX9は中立または腫瘍抑制的とされる。公開データ上、HNSCCでは正常組織比でPAX9発現が低下傾向。ただしHNSCCでは高PAX9発現と予後の有意な関連は示されず(子宮頸部/肺SCCでは良好予後と関連)、HNSCC特異的な機能・機構は未確立。
甲状腺癌ゲノミクス(差分・confidence:medium)
- 甲状腺癌の分子病態は1980年代後半までほぼ不明だったが、核酸シークエンス技術の進歩とともに主要な遺伝的ドライバー(BRAF/RAS/RET等)がほぼ確立され、現在の診断・治療を相当程度規定している。
- 今後の課題として、甲状腺癌の腫瘍エコシステム(微小環境)の複雑性が生物学的挙動・治療反応の主要決定因子になりうると指摘される。
- ※総説は非OAでアブストラクトのみ取得のため、個別ドライバーの頻度値・分化度との対応は未反映(全文入手で要補強)。
乳頭甲状腺癌(PTC)のプロテオゲノミクス/メタボロミクス統合(一次研究・confidence:medium)
- 中国人PTC 102例(高再発リスク47.1%/中27.5%/低25.5%)を ゲノム・トランスクリプトーム・メタボローム・プロテオーム・リン酸化プロテオームの5層オミクス で統合解析。
- 体細胞変異は少なく(腫瘍あたり平均74非同義点変異+2 indel)、BRAF 47%(全てV600E)が最多、MUC16 36%・RNF213 8%・MSH6 7%。MUC16変異とTERTプロモーター変異・融合NCOA4-RETが高再発リスクに富化(MUC16変異は高RR P=0.027・再発 P=0.010・T3・N1b・M1と関連)。この中国人コホートはRAS変異を欠く(TCGA-PTCでは13%)。
- オミクスデータから4分子サブタイプ: CS1(低RR・BRAF様)/CS2(高RR・代謝型・最悪予後)/CS3(高RR・免疫型・予後良好)/CS4(高RR・BRAF様)。代謝経路がサブタイプ・予後の主要決定因子の一つ。
- ※単一民族・単施設102例で人種/地域差に注意。本トピックの甲状腺領域を一次研究のプロテオゲノミクス/メタボロミクスで補強。
腫瘍微小環境(単一細胞・空間/差分・confidence:medium)
- HPV陽性/陰性HNSCCの原発巣・リンパ節転移巣を単一細胞RNA-seq+空間トランスクリプトミクスで解析: HPV+組織はリンパ系細胞が豊富(転移有無によらず)、一方 HPV-組織(特に転移巣)はマクロファージ・形質細胞の変化が顕著。
- HPV-の転移巣で PKM2 がCSC様集団の幹細胞性と密接に関連(ノックダウンでスフェロイド形成能低下)。HPV+患者では三次リンパ構造(異所性リンパ構造)を空間プロファイルで確認。HPV-では EPHA2(ephrin-A)経路が血管新生の重要シグナル。
- → 詳細なTME・免疫療法は 頭頸部癌の腫瘍微小環境 参照。少数検体・前臨床のため confidence:medium。
治療標的・精密医療(差分・confidence:medium)
- PI3K/mTOR経路はHNSCCで最も高頻度に活性化するシグナル回路の一つで治療標的。ゲノムワイドCRISPRスクリーニングにより、mTOR阻害薬がフェリチンのオートファジー分解(ferritinophagy)→遊離鉄増加→脂質過酸化→フェロトーシスを誘導して抗腫瘍活性を発揮する機構が示された。
- これはmTOR阻害薬の限定的な臨床効果に分子的説明を与え、フェロトーシス防御を無効化する既承認薬との合剤化という合理的併用戦略を示唆する(前臨床、定量値は全文未取得)。
口腔癌(OSCC)の分子バイオマーカー(多オミクス・confidence:low)
- OSCCのバイオマーカーはゲノミクス・トランスクリプトミクス・プロテオミクス・メタボロミクス・イムノミクス・マイクロバイオミクスの複数オミクス領域から提案されており、分子シグネチャによる異形成の癌化リスク予測・早期検出・治療反応予測が探索されている。
- 組織学的な口腔異形成グレーディングは臨床挙動を信頼性高く予測できず(重度異形成の悪性転化率7〜50%と幅広い)、分子マーカーによるリスク層別化の必要性が背景にある。
- ※個々の遺伝子/分子マーカーの具体名・感度特異度はアブストラクトのみでは未取得(全文入手で要補強)。
リキッドバイオプシー・サリバオミクス(差分・confidence:low)
- サリバオミクス(唾液のプロテオミクス・RNA・DNA解析)は、HNCの早期検出・モニタリングに有望。唾液は非侵襲・採取容易・安価で、HNC患者と健常者を識別するバイオマーカーを同定しうる。
- マルチオミクス(遺伝子変異・発現パターン・タンパクプロファイル・代謝物)の統合で分子像が包括的になり、診断精度の向上・標的治療開発・個別化医療に資する。
- 課題: バイオマーカー検証・感度/精度/特異度評価のための大規模研究が必須。ナラティブレビュー(SANRA観点でRoB:high)かつ非OAでアブストラクトのみのため、個別バイオマーカーの感度/特異度は未取得(全文入手で要補強)。
診断・サーベイランス(FA文脈)
- FAでは幼少期からの口腔診察(半年毎)+年次鼻咽喉頭内視鏡が推奨。口腔ブラシ細胞診で感度97.7%・特異度84.5%、異数性解析併用で感度100%・特異度92.2%。
治療(FA文脈)
- FAは化学放射線の毒性が高く外科切除が主柱。低毒性の分子標的(EGFR阻害: gefitinib/afatinib、前臨床で腫瘍/非腫瘍IC50比 約400/100、EMAオーファン指定)と免疫チェックポイント阻害が将来候補だが臨床エビデンスは限定的。
予後・経過(FA文脈)
- FA HNSCC: 発症年齢中央値31歳(15–49)、癌特異的生存中央値17か月、5年全生存約39%、16か月以内の局所領域再発50%超、二次原発癌60%超。HSCTはSCCリスクを4.4倍に上昇。
最新トピック / 未解決の論点
- 散発性HNSCCにおけるFA経路欠損の臨床的意義(DNA架橋剤感受性を治療標的にできるか)は探索段階。
- 一般HNSCCの変異ランドスケープ・分子サブタイプの統合像(TCGA系)は本トピック未収集——次回スキャンの優先課題。
- FA関連HNCの非遺伝毒性治療(EGFR阻害・ICI)は前臨床〜初期臨床段階で確証はこれから。
関連トピック
- 頭頸部扁平上皮癌総論 — 頭頸部扁平上皮癌の総論(ゲノミクスの臨床的文脈)
- HPV発癌機構 — HPV発癌(HPV陽性/陰性HNSCCの分子的区別の基盤)
- 頭頸部癌の腫瘍微小環境 — 腫瘍微小環境(免疫療法・GVHDとの接点)
更新履歴
- 2026-06-01: 初版作成。FA関連HNCレビューを背骨に、FA経路・TP53早期欠失・複雑CNV・散発HNSCCのFA経路異常(TCGA再解析13%)を反映。一般HNSCCゲノミクス総論は核心未取得の暫定として明示。
- 2026-06-02: 口腔癌の多オミクス分子バイオマーカーレビューを暫定反映(OSCC異形成の癌化予測における分子シグネチャ)。アブストラクトのみのため具体マーカーは未反映・全文入手で要補強。
- 2026-06-03: 差分6本反映。甲状腺癌ゲノミクス総説を甲状腺領域アンカーに設定(BRAF/RAS/RET)。喫煙別ゲノム差異(11q13/FADD)・PI3K/mTOR阻害-フェロトーシス・HPV+/-のTME単一細胞(PKM2/EPHA2/三次リンパ構造)・腫瘍budding転移機構(CYTOR-FOSL1相分離)・PAX9を反映。OA全文取得は2件(38032139, 35628401)、他4件はprovisional-abstract。paper_count 2→8。
- 2026-06-04: 差分6本反映(マルチオミクス/エピゲノム拡充)。統合マルチオミクスの分子サブタイプIMC1-3+治療脆弱性、SE駆動KLF7-IGF2BP2、新規修飾 乳酸化lactylation(DHX9-K146)、Hippo経路変異の機能注釈(HNSCで MOB1A/B LOF・ZNFドメイン)、サリバオミクス、PTCプロテオゲノミクス/メタボロミクス102例(BRAF V600E/MUC16/TERT/NCOA4-RET, CS1-4)を反映。OA全文取得は4件(38443991, 39407253, 39572544, 38609408)、非OA2件(38959352, 39216814)はprovisional-abstract。甲状腺領域アンカーを一次研究で補強。paper_count 8→14。
参照論文
- — 統合: FA(DNA修復障害)関連HNCの遺伝的脆弱性(TP53早期欠失・複雑CNV・FA経路23遺伝子)と散発HNSCCのFA経路異常を橋渡し (Choi 2025, Cancers / narrative-review / Lv.5 / RoB:high / confidence:low)
- — 統合: 口腔癌(OSCC)の分子バイオマーカーを多オミクス(ゲノミクス〜マイクロバイオミクス)横断で整理。異形成の癌化リスク予測の分子的根拠を補強 (Radaic 2024, Periodontol 2000 / narrative-review / Lv.5 / RoB:high / confidence:low)
- — 統合: 甲状腺癌ゲノミクス40年史。主要ドライバー(BRAF/RAS/RET)の確立と腫瘍エコシステムの課題。甲状腺領域アンカー (Fagin & Nikiforov 2023, Thyroid / narrative-review / Lv.5 / RoB:high / confidence:medium / provisional-abstract)
- — 統合: 喫煙歴別HNSCCの分子差異。11q13増幅(CCND1/FADD/CTTN)、FADD変異と予後(HR 1.40) (Jiang 2025, JAMA Otolaryngol Head Neck Surg / cohort / Lv.4 / RoB:high / confidence:medium / provisional-abstract)
- — 統合: ゲノムワイドCRISPRでmTOR阻害がferritinophagy→ferroptosisを誘導。PI3K/mTOR治療標的 (Koshizuka 2025, Cancer Res / translational / Lv.5 / confidence:medium / provisional-abstract)
- — 統合: HPV+/-HNSCCのTME単一細胞・空間解析。HPV-でPKM2(幹細胞性)/EPHA2(血管新生)、HPV+で三次リンパ構造 (Lee 2024, J Med Virol / translational / Lv.5 / confidence:medium / provisional-abstract)
- — 統合: 腫瘍budding転移機構。核内lncRNA CYTORがFOSL1相分離・SEを介し幹細胞性/転移を駆動 (Wang 2024, Adv Sci / translational / Lv.5 / confidence:low / full-text)
- — 統合: 転写因子PAX9のがん発生における役割(汎がん総説)。HNSCCでは発現低下傾向だが予後関連不明確 (Chen 2022, Int J Mol Sci / narrative-review / Lv.5 / RoB:high / confidence:low / full-text)
- — 統合: 統合マルチオミクス(SNF)でHNSCCを3分子サブタイプIMC1-3に分類、治療脆弱性(IMC1=シスプラチン/免疫療法、IMC2=EGFR阻害)をオルガノイドで検証 (Diao 2024, Cancer Res / translational / Lv.5 / confidence:medium / provisional-abstract)
- — 統合: KLF7がスーパーエンハンサー(H3K27Ac/BRD4/MED1)を介しIGF2BP2過剰発現を駆動しHNSCC進展を促進、BRD4阻害JQ1で抑制 (Cai 2024, J Exp Clin Cancer Res / translational / Lv.5 / confidence:medium / full-text)
- — 統合: マルチオミクスで口腔癌の乳酸化lactylome(1033タンパク/2765部位)を初記載、DHX9-K146乳酸化がOSCC進展を促す (Jing 2024, Genome Biol / translational / Lv.5 / confidence:medium / full-text)
- — 統合: Hippo経路体細胞変異 約1000個を機能注釈し85 LOF変異を同定、HNSCで MOB1A/B LOF(ZNFドメイン依存)が腫瘍増殖促進 (Han 2024, Nat Commun / translational / Lv.5 / confidence:medium / full-text)
- — 統合: 頭頸部癌のサリバオミクス(唾液DNA/RNA/タンパク)を非侵襲リキッドバイオプシーとして整理、早期検出/モニタリング (Saravanan 2025, Clin Chim Acta / narrative-review / Lv.5 / RoB:high / confidence:low / provisional-abstract)
- — 統合: PTC 102例の5層オミクス統合(プロテオゲノミクス/メタボロミクス)。BRAF V600E 47%/MUC16/TERT/NCOA4-RET、4サブタイプCS1-4。甲状腺領域を一次研究で補強 (Qu 2024, Nat Commun / translational / Lv.5 / confidence:medium / full-text)