耳毒性の機構(Mechanisms of Ototoxicity)
⚠️ 医療者向け研究レビュー。診療判断・医学的助言ではない。基礎・トランスレーショナル研究中心のため確実性は低く、最終判断は一次資料と専門家の評価による。 最終更新: 2026-06-04 / 反映論文: 10件 / 背骨: MET チャネル耳毒性保護レビュー 2025 / 未レビュー
サマリ(現時点の到達点)
耳毒性(ototoxicity)は薬剤による内耳組織傷害で、代表的起因薬はアミノグリコシド系抗菌薬とシスプラチン。両者は血液迷路関門(BLB)を越えて内リンパに入り、有毛細胞の頂端膜から細胞内へ取り込まれ、酸化ストレス・ミトコンドリア障害を介してアポトーシス/ネクローシスを起こす。近年の中心的論点は、有毛細胞への薬剤侵入経路として機械電気変換(MET)チャネルが主要であり、取り込みそのものを上流で阻害する保護戦略が、従来の下流 ROS 介入に代わる新たな標的になりうること。ただし候補となる MET チャネルブロッカーは有効用量域が狭く、ヒト臨床への外挿・確証は未確立である(基礎レビュー由来、確実性low)。
カバレッジ(この知識の確からしさ範囲)
- 背骨(anchor): PMID:39898250 — ナラティブレビュー(SANRA 対象)・2025年。エビデンス最下位(Lv5)、基礎・トランスレーショナル。
- 反映範囲: アンカー(2025)の論点を背骨に、差分レビュー3件(2024–2026)+一次トランスレーショナル研究5件(2024–2025)を反映。レビュー: ①上流取り込み阻害の構造生物学、②モルモット耳毒性モデル方法論SR、③腸-ミト-耳軸の仮説枠組み。一次研究: ④RIPOR2転座とPS外在化が独立機構である、⑤PGC-1α介在のミトコンドリア-脂肪滴恒常性破綻、⑥抗酸化保護の中核はフリーラジカル捕捉、⑦IGF-1/IGF1Rによるシスプラチン保護(酸化ストレス・アポトーシス抑制)、⑧シスプラチン特異的ストレス顆粒形成。ヒト臨床試験の差分は未取り込み。
- 全文精読(full-text): PMID:39898250(アンカー)・PMID:40842562・PMID:39525588・PMID:41011663。
- 暫定(全文未取得, provisional-abstract): PMID:37962398・PMID:41940042・PMID:42121870(レビュー)、PMID:40334501(非OA)・PMID:39575153(EPMC全文応答空)。全文入手時に再評価。
- 確実性: レビュー由来の記述は全般に確実性low。一次研究は全てex vivo蝸牛培養/in vitro細胞株/動物モデルでヒト外挿に隔たりがあり、全文精読の3件は confidence medium、アブストラクトのみの2件は low。
- 飽和目標: 耳毒性機序の主要 SR・MET チャネル/トランスポーター標的薬の前向き/臨床試験・側頭骨/ヒト研究をセンチネルとして追加予定。
耳毒性機序
薬剤の侵入経路(2段階)
- 第1段階: アミノグリコシド・シスプラチンは BLB(血管内皮のタイトジャンクションで大分子・血球は遮断)を越え、血管条から内リンパ充満の蝸牛管へ入る。両薬とも小分子のため BLB を通過しうる。
- 第2段階: 有毛細胞の頂端膜から細胞内へ取り込まれ、エンドサイトーシスで蓄積して細胞毒性に至る。内リンパ(低Na⁺・高K⁺)と外リンパ(高Na⁺・低K⁺)の微小環境の差がこの過程の場となる。
アミノグリコシドの取り込みと毒性
- MET チャネルが主要侵入路: アミノグリコシドは極性分子で脂質膜を直接通れず、主に有毛細胞頂端膜の MET チャネルを介して流入・蓄積する。TRPA1・TRPV1・TRPV4・P2X・piezo2 等も関与しうる。エンドサイトーシス阻害や細胞内輸送の妨害では有毛細胞傷害を防げなかった。
- 証拠: TMC1/2 欠損マウス(Tmc1Δ/Δ;Tmc2Δ/Δ)では蛍光標識ゲンタマイシン(GTTR)の取り込みが野生型より著明に低下し、MET 成熟に伴い GTTR 蛍光が増強する。GTTR を顕著に取り込む有毛細胞のみが FM1-43(MET 活性指示色素)も取り込む。
- 下流機序: 細胞内蓄積→酸化ストレス増大・ミトコンドリア構造破壊→ATP 合成低下→有毛細胞機能障害、アポトーシス+ネクローシス。聴神経自体への毒性も示唆。
- 早期細胞内イベントは2系統が独立: AG は有毛細胞で①RIPOR2 の転座(→オートファジー/マイトファジー経路の破綻を介し不可逆な細胞死)と②ホスファチジルセリン(PS)外在化を引き起こす。両者ともに機能的 MET を必要とするが、時間動態・洗い流し後の回復・薬理学的前処置・遺伝学的検証から互いに独立した別々の分子機構で制御される(持続曝露で RIPOR2 は基部へ戻るが PS 外在化は持続、ベンザミル誘発 PS 外在化は RIPOR2 局在に影響しない 等)。
- PS 外在化=MET 複合体のスクランブラーゼ活性: PS 外在化は MET 複合体(TMC1/2)のスクランブラーゼ活性に起因すると考えられ、TMC2 を保持する Tmie−/− 有毛細胞でも PS 外在化が起きないことから、TMIE がこのスクランブラーゼ活性に必須である可能性が示された。PS 外在化は通常アポトーシス早期マーカーだが、ここではアポトーシスを伴わず(MET 遮断はむしろ保護的)、有毛細胞死と独立に起こりうる(毒性への因果的寄与は特異的阻害薬未同定のため未確定)。
- 代謝軸の機序(脂肪滴-ミトコンドリア): ネオマイシンはミトコンドリアまたはその近傍に濃縮し、ミトコンドリアと脂肪滴(LD)の病的な膜接触を増やす。これがミトコンドリア形態異常・脂質 ROS 増加・脂肪酸の LD→ミトコンドリア移送阻害・脂肪分解/脂肪酸酸化遺伝子の発現低下を招き、TAG・リン脂質(PG/PE/PC/PA)の変化が耳と腎で共通して起こる(リピドミクス・単核 RNA-Seq・電顕で確認)。
- 耳毒性の不可逆性の機序的裏づけ: 投与中止後も有毛細胞ではネオマイシン蓄積が増え続ける一方、腎・心・肝では大きく減少する。内耳からの薬剤排出欠陥が、難聴が中止後も不可逆である臨床像と整合する。
シスプラチンの取り込みと毒性
- 複数の取り込み経路: 受動拡散で細胞膜を直接越えられるほか、辺縁細胞では主に OCT-2(有機カチオントランスポーター2)と CTR1(銅トランスポーター1)で内リンパへ移行。有毛細胞段階では MET・TRPV1 等も関与し、OCT2/CTR1/MET/TRPV1 の阻害で取り込みを妨げられる。
- 3側面の毒性: ①聴神経への直接傷害(酸化ストレス・アポトーシス)、②内耳細胞への蓄積による酸化的損傷・アポトーシス、③TRPV1・NADPH oxidase 3 等の活性化による蝸牛浮腫・炎症・細胞傷害。高レベル ROS が細胞死の主要誘因。
- 下流シグナルは AG と異なる: シスプラチンは MET を介した取り込みを AG と共有しうるが、有毛細胞内で AG とは異なる細胞内シグナル経路を起動する。シスプラチンは AG が起こす RIPOR2 転座も PS 外在化も誘導せず、GEN 誘発 PS 外在化も妨げない(=細胞内シグナルが別系統)。
- シスプラチン特異的なストレス顆粒(SG): シスプラチンは聴覚細胞株 HEI-OC1 と H4 ヒト神経膠腫細胞でストレス顆粒(翻訳停止 mRNP 由来の膜なし凝集体)を形成する(G3BP1 と PABP/Caprin1 の共局在で確認、薬剤除去後も H4 で 12 時間以上持続)。一方ゲンタマイシンでは SG が形成されず、シスプラチンに特異的な亜細胞ストレス応答である。ただし SG 形成と細胞死の因果(保護的か有害か)は未確定。
- 保護機序からの裏づけ(IGF-1): IGF-1 はシスプラチン誘発外有毛細胞障害を IGF1R 依存性に保護し、その機序はシスプラチン誘発酸化ストレスの低減とアポトーシス抑制を介す(有毛細胞・支持細胞の増殖誘導ではない)。シスプラチン毒性の中核が酸化ストレス・アポトーシスにあることを保護側から裏づける。
- U 字型用量反応(前庭有毛細胞): 10→50 μM で減少、100→1000 μM では逆に増加、1000 μM ではほぼ全細胞生存。最大の脱落は 50–100 μM 域(保護薬評価にはこの濃度域が適切)。一方、末梢神経線維・終末は高用量でも傷害され有毛細胞より感受性が高い。
- 遺伝的脆弱性(DNA修復能の個人差): シスプラチン誘発耳毒性(CIO)の感受性にはDNA修復遺伝子多型が関与しうる。8研究・672例を統合したSR(PROSPERO登録・PRISMA準拠)で、XPC rs2228001 の AC+CC 遺伝子型がCIOリスク低下と関連(OR 0.20, 95%CI 0.06–0.70)する一方、GSTP1/FASL/MSH3 等のSNPとの組み合わせで高リスク(OR 17–32)になる。ただし所見は集団・SNPに依存し一貫せず、予測マーカーの確立には至らない(取り込み・下流毒性の機構そのものではなく感受性修飾の背景。confidence:low、abstract暫定)。
- 遺伝的脆弱性(小児がんサバイバーの晩期難聴): 小児がん治療後の晩期合併症(聴覚障害を含む)の発症・重症度の個人差に遺伝的素因が関与する。晩期合併症全般を扱う更新SR(60論文、うち聴覚障害26論文)では、計85変異が≥1研究でいずれかの晩期合併症と有意に関連したが、複数の候補遺伝子研究で検討された20変異のうちメタ解析で有意に残ったのは rs4646316/COMT のみで、再現性は乏しい。多遺伝子リスクスコアの追加は臨床予測モデルの性能を改善しうる(6研究中5研究)。耳毒性の予測・リスク層別化に向けた薬理ゲノミクスの現状と課題を示すが、エビデンスの不確実性は大きい(取り込み・下流毒性の機構そのものではなく感受性修飾の背景。聴覚障害は4領域の1つで耳特異的解析は限定的。confidence:low、abstract暫定)。
MET チャネルの構成
- PCDH15・CDH23・LHFPL5 を中核に、TMIE・TMC1/2・CIB2 が機能に寄与する複合体。TMC1 が孔形成サブユニットとされ、TMEM16A/F と配列・構造が相同(いずれも Ca²⁺ 活性化型チャネル)。
- 新しい統合モデルでは、MET チャネルは頂端リンクに直接結合せず CIB/ankyrin を介して細胞骨格と連結し、毛束変位時の膜張力・ばね力が TMC1/2 の開口を引き起こすとされる(要さらなる構造・機能的検証)。
上流取り込み経路の構造生物学(差分)
- 薬剤の有毛細胞侵入を担うチャネル/トランスポーター(MET チャネル・OCT-2 等)の立体構造が構造生物学の進展で大きく解明されつつあり、これらを標的とした「上流の取り込み阻害」が、従来の下流 ROS 介入に代わる耳保護戦略の候補となる。
- 分子動力学(MD)シミュレーションは、これら標的タンパクへの取り込みを阻害する分子の同定に役立ちうる。
- ※アブストラクトのみ精読(provisional-abstract)。アンカーの「上流取り込み阻害」論点と整合し方向性を補強するが、具体的な構造的知見・候補分子・効果量は全文未取得のため未確認(確実性low)。
全身生理と耳毒性脆弱性:腸-ミト-耳軸(仮説枠組み・差分)
- 耳毒性は蝸牛局所の有害事象とみなされてきたが、全身生理(炎症状態・血管バリア健全性・代謝状態)が蝸牛脆弱性を規定するとする「腸-ミトコンドリア-耳軸(Gut-Mito-Ear axis)」が提唱された。腸生態系の機能が循環性メディエーターを介し、血液迷路関門(BLB)ゲーティングとミトコンドリアストレス耐性という2つの蝸牛ノードに収束するというモデル。
- BLB 機能障害と炎症性トラフィッキングはシスプラチン・アミノグリコシド誘発傷害に機序的に関連し、腸の撹乱が in vivo で蝸牛アウトカムを変えうること、ある微生物叢由来代謝産物が実験的に聴覚を直接保護しうることが整理された。
- ⚠️ 著者自身がこの軸を「確立した機序ではなく反証可能な systems-biology モデル」と明言している。本トピックの分子機序(BLB 通過・ミトコンドリア障害)と接続する範囲で参照にとどめ、確立機序として扱わない(confidence:very-low、アブストラクトのみ)。
耳毒性機序研究の方法論(差分)
- モルモット耳毒性・耳保護モデルにおいて、生理・形態・生化学的アセスメントを統合した包括的テストバッテリーが機序解明と治療戦略探索の枠組みを提供する(PRISMA 2020 準拠SR、1994–2024 の 560 論文から 54 論文を採択)。動物モデル(特にモルモット)はヒトの耳毒性・耳保護機序の理解に有用な知見を与えうる。
- ※アブストラクトのみ精読(provisional-abstract)。分子機序の新知見というより機序解明の方法論的枠組みであり、モルモット単一種のため種差の制約がある(確実性low)。
保護戦略
MET チャネルブロッカー候補(取り込み阻害による上流保護)
従来の下流 ROS 介入に代わり、薬剤取り込みそのものを減らす上流戦略。主な候補と特徴:
- UoS-7692: ゼブラフィッシュ約1万化合物→マウス蝸牛培養のスクリーニングで同定。OHC の MET を遮断しゲンタマイシン蓄積を抑制(カナマイシン/トブラマイシンにも保護)。ゲンタマイシンの殺菌力を損なわない点で有望。
- d-Tubocurarine / berbamine: ゼブラフィッシュ側線で有毛細胞を完全保護。berbamine のアシル化・アルキル化誘導体は母化合物より保護効果が高い(多様式作用の可能性)。
- FM1-43 誘導体: MET 透過性ブロッカーかつ MET 活性検出色素。親油性の尾部と正電荷の頭部の両方が遮断に必要。低濃度で保護しうるが毛束構造障害を伴いうる。
- カルベジロール誘導体: 高親和性・透過性・可逆的 MET 阻害薬。10–20 μM でゲンタマイシン傷害を完全保護、30 μM 超で細胞毒性。保護はカルバゾール基に依存。
- ORC-13661: 透過性ブロッカー。電位依存性(負電位で強遮断)・閉状態遮断・負協同的に2分子結合。抗腫瘍/抗菌活性を損なわず、臨床試験に到達した数少ない例(最適効果には複数回投与)。
- フェノキシベンザミン/ベンザミル: フェノキシベンザミンは可逆的 MET ブロッカー、前処置で OHC の FM1-43 取り込みを 28%・IHC を 60% に低減(200 μM で OHC 毒性)。ベンザミルはシスプラチン耳毒性に蝸牛器官培養で保護。
非 MET 系・その他の保護戦略
- 抗酸化系: N-acetylcysteine・サリチル酸塩は内因性抗酸化を高め、抗腫瘍活性に影響しない(MET 非依存の利点)。Sodium Thiosulfate(Pedmark, FDA 承認)はシスプラチンの抗腫瘍活性を低下させる難点。
- 抗酸化保護の中核機構=フリーラジカル捕捉: ゲンタマイシン耳毒性に最も有効だった抗酸化薬 seratrodast(TXA2 拮抗作用も持つ)・idebenone(ミトコンドリア代謝促進作用も持つ)について、それぞれの非抗酸化作用を模倣する別化合物(SQ-29548=TXA2 受容体拮抗薬、mitochonic acid=ミトコンドリア機能促進剤)では保護が再現されなかった。よって両薬の保護はフリーラジカル捕捉(ROS スカベンジ)能そのものに帰せられ、ミトコンドリア機能強化やトロンボキサン阻害は主機構ではない。シスプラチンへの保護は AG より弱く、機序の違い(取り込み・下流シグナルの差)を反映する。
- GPx 活性化: SPI-1005(ebselen) は嚢胞性線維症患者を対象に phase 2b 進行中(ARO 2024 報告)。
- その他の標的: ミトファジー活性化(損傷ミトコンドリア除去)、GPx4 介在フェロトーシス阻害、Atoh1/Tbx2 による有毛細胞再生(ただし MET 電流欠如で機能回復は不十分)。
- 代謝恒常性の標的(PGC-1α): PGC-1α 欠損はネオマイシン誘発のミトコンドリア-脂肪滴相互作用・脂質酸化・代謝障害を増悪させ、内耳・腎の毒性を悪化させた。PGC-1α 介在のミトコンドリア-脂肪滴恒常性の維持が、薬剤性の耳・腎障害に共通の保護標的候補となりうる(機序提示の段階で、PGC-1α 介入による聴覚保護の治療効果自体は未検証)。
- IGF-1/IGF1R: シスプラチン誘発外有毛細胞障害を酸化ストレス低減・アポトーシス抑制を介して IGF1R 依存性に保護する(機序からの裏づけ。具体的保護薬としての臨床展開は 内耳保護薬 参照)。
聴覚を温存しながら防ぐ課題と解決案
MET 完全遮断は全聾を招くため、保護と聴覚温存の両立が根本的ジレンマ。提案される解決案:
- 選択的阻害(TMIE・LHFPL5 等の修飾でチャネルを完全閉鎖しない)
- 時間制御投与(耳毒性薬投与中のみ一時遮断し後で回復)
- 局所デリバリー(内耳へ直接投与し全身副作用を低減)
- 用量調整(聴覚障害を最小化)
- 抗酸化・抗炎症薬との併用
関連トピック
- 薬剤性難聴 — 薬剤性難聴。耳毒性機序がもたらす臨床帰結(アミノグリコシド治療の約20%で永続的難聴)
- 内耳保護薬 — 耳保護。MET ブロッカー・抗酸化薬・GPx 活性化など本トピックの保護戦略の臨床展開
- 内耳ドラッグデリバリー — 内耳ドラッグデリバリー。局所投与による保護薬送達(聴覚温存の解決案③)
データの根拠と限界(カバレッジ)
- 全文精読(full-text): 39898250(MET チャネル耳毒性保護 ナラティブレビュー・2025、SANRA 対象・Lv5)/40842562(RIPOR2・PS外在化の独立機構, ex vivo蝸牛培養・2025・Lv5)/39525588(PGC-1α-ミトコンドリア-脂肪滴, 動物/細胞・2024・Lv5)/41011663(抗酸化保護のフリーラジカル捕捉機構, ex vivo蝸牛培養・2025・Lv5)。
- アブストラクトのみ(provisional-abstract): 37962398・41940042・42121870(レビュー/SR)、40334501(IGF-1保護, 非OA・2025)、39575153(シスプラチン特異的SG, EPMC全文応答空・2024)。いずれも全文未取得で具体値・詳細は未確認、全文入手時に再評価。
- 限界: レビュー/SR(Lv5)由来の記述は確実性low。一次研究4–5件はいずれも ex vivo 蝸牛培養・in vitro 細胞株(HEI-OC1/H4)・動物モデルで、ヒト内耳への外挿に隔たり(全てエビデンスLv5、トランスレーショナル)。RIPOR2/PS・SG・脂肪滴・IGF-1 の各機序とも有毛細胞死への因果的寄与や治療効果は前向き/臨床では未確認。MET ブロッカーは用量域が狭く臨床到達はごく一部。腸-ミト-耳軸は著者も未確立と明言する仮説枠組み。ヒト臨床試験の差分は未取り込み。次回スキャンで補強。
更新履歴
- 2026-06-04 (2): 横断スイープ新着1本を上乗せ。小児がんサバイバーの晩期合併症の遺伝因子の更新SR(聴覚障害26論文、メタ解析で再現された変異はrs4646316/COMTのみ、多遺伝子リスクスコアが予測改善)[PMID:41077199・abstract暫定]を、シスプラチン取り込み・毒性節の遺伝的脆弱性に confidence:low で追記。paper_count 10→11。アンカー維持。
- 2026-06-04: 横断スイープ新着1本を上乗せ。DNA修復遺伝子多型とシスプラチン誘発耳毒性のSR(XPC rs2228001 AC+CCでCIOリスク低下 OR0.20、他SNP併用で高リスク、所見は一貫せず)[PMID:41532599・abstract暫定]を、シスプラチン取り込み・毒性節の遺伝的脆弱性として confidence:low で追記。paper_count 9→10。アンカー維持。
- 2026-06-03: 差分の一次トランスレーショナル研究5件を反映。RIPOR2転座とPS外在化が機能的METを要しつつ独立機構である(PS外在化=MET複合体スクランブラーゼ活性, TMIE必須)・シスプラチンはRIPOR2/PSいずれも誘導せず下流シグナルがAGと別系統[PMID:40842562, full-text/confidence:medium]、PGC-1α介在のミトコンドリア-脂肪滴恒常性破綻と内耳排出欠陥による不可逆性[PMID:39525588, full-text/medium]、抗酸化保護の中核はフリーラジカル捕捉(ミトコンドリア機能強化/TXA2阻害は主機構でない)[PMID:41011663, full-text/medium]、IGF-1/IGF1Rによるシスプラチン保護(酸化ストレス・アポトーシス抑制)[PMID:40334501, abst/low]、シスプラチン特異的ストレス顆粒形成(GENでは形成されず)[PMID:39575153, abst/low]を追記。ナノ粒子共送達は薬物送達系で機序寄与が薄く却下(inner-ear-drug-deliveryに委ねる)。paper_count 4→9。
- 2026-06-02: 差分レビュー3件を反映。上流取り込み経路の構造生物学(MET/OCT-2・MDシミュレーション)、腸-ミト-耳軸という仮説枠組み(BLB ゲーティング・ミトコンドリアストレス耐性、著者が未確立と明言)、モルモット耳毒性モデルの評価方法論SRを、いずれもアブストラクトのみ(provisional-abstract)・confidence:low で追記。paper_count 1→4。
- 2026-06-01: 初版作成。MET チャネル耳毒性保護レビューを背骨に、薬剤侵入の2段階経路・アミノグリコシド(MET 主経路)/シスプラチン(OCT-2・CTR1)の取り込みと毒性機序・MET チャネルブロッカーと保護戦略・聴覚温存の課題を confidence:low で反映。
参照論文
- — 統合: アミノグリコシド/シスプラチン耳毒性の機序整理。BLB→内リンパ→有毛細胞の2段階侵入、MET チャネルを主要侵入路かつ保護標的とし、取り込み阻害(MET ブロッカー)による上流保護戦略と用量域・聴覚温存の課題を俯瞰 (Ouyang 2025, Int J Med Sci / narrative-review / Lv.5 / RoB:high(SANRA) / confidence:low)
- — 統合: 上流の薬剤取り込み経路に着目した耳保護。MET チャネル・OCT-2 等の立体構造解明と MD シミュレーションによる取り込み阻害分子の同定を、下流ROS介入に代わる戦略として整理 (Hsieh 2024, J Chin Med Assoc / narrative-review / Lv.5 / RoB:high(SANRA) / confidence:low / provisional-abstract)
- — 統合: モルモット耳毒性・耳保護モデルにおける生理・形態・生化学的評価を統合したテストバッテリーのSR(PRISMA 2020、560→54論文)。機序解明の動物モデル方法論を系統整理 (Young 2026, Curr Res Toxicol / systematic-review / Lv.5 / RoB:moderate(AMSTAR-2) / confidence:low / provisional-abstract)
- — 仮説提示: 腸-ミトコンドリア-耳軸。全身生理がBLBゲーティングとミトコンドリアストレス耐性の2ノードを介し蝸牛脆弱性を規定するとする反証可能なsystems-biologyモデル(著者が未確立と明言) (Yim 2026, Cells / narrative-review / Lv.5 / RoB:high(SANRA) / confidence:very-low / provisional-abstract)
- — 新知見: AG誘発のRIPOR2転座とPS外在化は機能的METを要しつつ独立機構。PS外在化=MET複合体(TMC1/2)スクランブラーゼ活性でTMIEが必須。シスプラチンはRIPOR2/PSいずれも誘導せず下流シグナルがAGと別系統 (Li 2025, Front Cell Neurosci / translational(ex vivo) / Lv.5 / RoB:some-concerns(SYRCLE) / confidence:medium / full-text)
- — 新知見: ネオマイシン耳毒性・腎毒性の共通機序としてミトコンドリア-脂肪滴(LD)恒常性破綻(LD蓄積・脂質ROS・脂肪酸移送阻害)。PGC-1α欠損が増悪。中止後も内耳でのみ薬剤蓄積が続き不可逆性と整合 (Chen 2024, Acta Pharm Sin B / translational(動物/細胞) / Lv.5 / RoB:some-concerns(SYRCLE) / confidence:medium / full-text)
- — 新知見: seratrodast/idebenoneの有毛細胞保護はフリーラジカル捕捉能に帰せられ、TXA2阻害(SQ-29548)・ミトコンドリア促進(mitochonic acid)は主機構でない。シスプラチン保護はAGより弱い (Ryan 2025, Molecules / translational(ex vivo) / Lv.5 / RoB:some-concerns(SYRCLE) / confidence:medium / full-text)
- — 新知見: IGF-1がシスプラチン誘発外有毛細胞障害をIGF1R依存性に保護。機序は酸化ストレス低減・アポトーシス抑制(増殖誘導でない) (Yamahara 2025, Hear Res / translational(ex vivo) / Lv.5 / RoB:some-concerns(SYRCLE) / confidence:low / provisional-abstract)
- — 初記載: シスプラチンがHEI-OC1聴覚細胞・H4細胞でストレス顆粒(G3BP1+PABP/Caprin1)を形成(除去後12h持続)。ゲンタマイシンでは形成されず、シスプラチン特異的な亜細胞ストレス応答(細胞死との因果は未確定) (Abdelrasol 2024, Cell Stress / translational(in vitro) / Lv.5 / RoB:some-concerns(SYRCLE) / confidence:low / provisional-abstract)
- — 統合(感受性): DNA修復遺伝子多型とシスプラチン誘発耳毒性のSR(8研究672例)。XPC rs2228001 AC+CCでリスク低下(OR0.20)・他SNP併用で高リスク(OR17–32)、所見は集団/SNP依存で一貫せず予測マーカー未確立 (Omar 2025, Per Med / sr-ma / Lv.3 / RoB:high(AMSTAR-2) / confidence:low / provisional-abstract)
- — 統合(感受性): 小児がんサバイバーの晩期合併症の遺伝因子の更新SR(60論文、聴覚障害26論文)。メタ解析で再現された変異はrs4646316/COMTのみ・多遺伝子リスクスコアが予測改善・不確実性大 (Bolier 2025, Crit Rev Oncol Hematol / sr-ma / Lv.3 / RoB:high(AMSTAR-2) / confidence:low / provisional-abstract)